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アウトレイジ ビヨンド

10月24日(水) 今日は約2年ぶりに大学の親友Iさんに会う。昨年9月にIさんのお母さんが乳がんで亡くなった。若くして亡くなったのだ(私の母と15歳も違う)。闘病生活はIさんが頑張り、亡くなってからもいろいろ大変だったもよう。やっと1年過ぎたので、私が映画を見に行こうと誘ったのだ。

その映画は、アウトレイジ ビヨンド。最後に会ったのは、アウトレイジの映画を見たときで、2人とも北野武監督作品の大ファンで、いつも一緒に見ていた。なので、誘いやすいきっかけだった。そして今日は水曜日のレディースデーだから、1,000円で見れるので、得なのだ。

映画館に着いたら連絡するということで、私は早めに来た。でも、Iさんは開演ギリギリにやってきた。久々にIさんを見たが、2年前と少し何かが違っていた。上映するホールに向かう途中、少し会話をしたが、ぎこちなかった。

そしてアウトレイジ ビヨンドが上映が始まり、約2時間近い上映時間があっという間に終わって、ビックリするくらい時間が早かった。さすが北野監督は上手過ぎる。良く出来た脚本と映像と演出であった。2000年代の芸術路線がなくなり、2010年代は、芸術からエンターテイメントになり、それももちろん監督の個性が際立ち、よりムダをそぎ落として、展開が予想させない、ある意味大成しているように思え、ファンの私としては嬉しい限り。

さあ、これからIさんと映画の話や、韓国の話、娘の高校受験の苦労話、大学時代の友達の話など、この2年間話ができなかったことを一杯一杯話しようと、さあ飲みに行くぞ!と思ったが、Iさんは、映画館を出たら、「用事があるので、家に帰るわ。」とほとんど会話がなく、あっさりと帰って行った。

ショックだった。私としては、数少ない友人、親友と思ってたので、私は何も力になれないんだと。お母さんの死によってIさんの状況はどんな風に変わったんだろうか?しょんぼりしながら帰宅途中、確かに思った。こんな状況のIさんに、いとも簡単に人が大量に殺され、それもエグイ殺され方をするアウトレイジ ビヨンドを見たら、早く家に帰りたくなるよね。

そして思い出した。1993年のもう秋が目の前に迫った頃、私はたった一人でもう上映期間が終わりかけていたソナチネをギリギリ見に行った。映画館内はガラ空きで、20人もいなかったのではないか。当時私はつい最近父親を癌で亡くしていた。こちらもアウトレイジ ビヨンドと同じく、大量に人が次々と殺されていた。構成もなんとなく、どちらも似ている。確かに上映後、父親のことばかり考えてしまい、まっすぐ家に帰ったと思う。このソナチネは北野監督の死への渇望が描かれていた。どうして北野監督はそういう考えなのかと怒ったと思う。ソナチネは北野監督の最高傑作と言われている。私もそうだと思う。

あれから19年。そうだ。父親はIさんのお母さんと同じ年齢で死んでいたのだ。もう19年もたったのだ。

ソナチネの最後は、ビートたけし演じる主人公村川は自死で終わるが、アウトレイジ ビヨンドの最後は、ビートたけし演じる主人公の大友は生きることを選択し、生き延びる。そうだ。このアウトレイジ ビヨンドは、北野武監督の生への渇望というか執着かもしれない。19年を経て、北野武監督は着実に変わったのだ。あっと、そうそうアウトレイジ ビヨンドのキャッチコピーである「一番悪い奴は誰だ?」はわかりましたよ。

よし、少し時間が経ったら、Iさんを飲みに誘おう。

その日着ていたシビラのワンピースです。こげ茶地もこもこピンク柄エレガント長袖ワンピース(しいたけワンピピンク)ピンク系組み紐風タンクトップにコーディネートを追加しました。

 

 

2013年6月25日 miekotaro |


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